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53歳女性
主な徴候および症状
利尿剤の静脈内投与のために入院が必要な急性非代謝性心不全
– LVEF 25%
既往歴
3年前から糖尿病
2年前から慢性心不全
診察
血圧 120/80 mmHg
心拍数 72/min
足部浮腫を伴う肺うっ血
カリウム 4.2 mmol/L
クレアチニン 90 Umol/L
HbA1c 7.1%
BMI 22
投薬
エナラプリル 10 mg 1日2回
ビソプロロール 10 mg 毎日
スピロノラクトン 25 mg 毎日
イバブラジン 5 mg 1日2回
ループ利尿薬
メトホルミン 500 mg 1日2回
エンパグリフロジン 10 mg 毎日
推奨される手順
結論
入院から退院までの間にNT-proBNPが大幅に低下(30%超)した患者では、その後の心血管死亡率または心不全による入院率が低かったです。
著者の見解:
NT-proBNP値およびNT-proBNPの変化は、心不全患者の入退院を決定する唯一の基準として使用すべきではないものの、NT-proBNPは入院、トリアージ、退院、治療の最適化に関する臨床的判断を裏付けるものとして、臨床評価において追加情報を提供します。
参考文献:
MR Ziles, BL Claggett, MF Prescott, et al. Prognostic Implications of Changes in N-Terminal Pro-B-type Natriuretic Peptide in Patients With Heart Failure. J Am Coll Cardiol 2016; 68: 2425-2436.
CSP Lam, YH Li, A Bayes-Genis, et al. The role of N-terminal pro-B-type natriuretic peptide in prognostic evaluation of heart failure. J Chin Med Assoc 2019; 82(6):447-451.
45歳男性
主な徴候および症状
心不全クリニックへの新規紹介、
NYHA分類 II、LVEF 35%
既往歴
10年前から高血圧
2年前から慢性心不全
7年前に急性心筋梗塞
診察
血圧 110/70 mmHg
心拍数 68/min
体液過剰の所見なし
カリウム 4.0 mmol/L
クレアチニン 130 Umol/L
LDL 1.9 mmol/L
BMI 23
投薬
サクビトリル/バルサルタン 200 mg 1日2回
カルベジロール 25 mg 1日2回
スピロノラクトン 25 mg 毎日
ループ利尿薬
アスピリン 100 mg 毎日
アトルバスタチン 40 mg 毎夜
推奨される手順
結論
心不全患者でNT-proBNP値が1000 pg/mL超の場合、死亡リスクまたは入院リスクが高くなることが示されています。
著者の見解:
心不全患者でNT-proBNP値が1000 pg/mL超の場合、死亡リスクまたは入院リスクが高くなることが示されています。
参考文献:
MR Ziles, BL Claggett, MF Prescott, et al. Prognostic Implications of Changes in N-Terminal Pro-B-type Natriuretic Peptide in Patients With Heart Failure. J Am Coll Cardiol 2016; 68: 2425-2436. CSP Lam, YH Li, A Bayes-Genis, et al. The role of N-terminal pro-B-type natriuretic peptide in prognostic evaluation of heart failure. J Chin Med Assoc 2019; 82(6):447-451.
65歳男性
主な徴候および症状
一般循環器クリニックで経過観察中、NYHA分類 I、
LVEF 38%
既往歴
15年前から高血圧
15年前から脂質異常症
10年前に冠動脈バイパス術
診察
血圧 115/70 mmHg
心拍数 65/min
体液過剰の所見なし
カリウム 3.8 mmol/L
クレアチニン 80 Umol/L
LDL 1.8 mmol/L
BMI 19
投薬
サクビトリル/バルサルタン 100 mg 1日2回
ビソプロロール 10 mg 毎日
スピロノラクトン 25 mg 毎日
アスピリン 100 mg 毎日
ロスバスタチン 10 mg 毎日
推奨される手順
結論
安定した心不全患者では、NT-proBNP値が1000 pg/mL未満の場合、予後良好であることが示唆されます。
著者の見解:
安定した心不全患者では症状が隠れている可能性もあるため、NT-proBNPは臨床評価や治療に役立つ有用なツールといえます。 NT-proBNP値が1000 pg/mL未満となるよう治療を最適化することで、その後の死亡リスクおよび入院リスクが低下します。
参考文献:
MR Ziles, BL Claggett, MF Prescott, et al. Prognostic Implications of Changes in N-Terminal Pro-B-type Natriuretic Peptide in Patients With Heart Failure. J Am Coll Cardiol 2016; 68: 2425-2436. CSP Lam, YH Li, A Bayes-Genis, et al. The role of N-terminal pro-B-type natriuretic peptide in prognostic evaluation of heart failure. J Chin Med Assoc 2019; 82(6):447-451.