Dr James L Januzzi
Cardiologist, Massachusetts General Hospital. Prof of Medicine, Harvard Medical School
 

BNPとNT-proBNPの比較:専門家による見解

KEY TAKEAWAYS

  • 血管作動性ペプチドであるBNPは、NT-proBNPよりも半減期が短いです。NT-proBNPは、循環時間が長い傾向にあり、早期の心不全を検出できます。
  • ARNiはBNP濃度に影響を及ぼしますが、NT-proBNPは影響を及ぼしません。他のデータから、治療の経過観察および心不全患者の管理において、BNPよりNT-proBNPの方が有用性は高いことが示されています。

生物学的レベルにおけるBNPとNT-proBNPの差は、BNPはホルモンとして生物学的活性を示すのに対し、NT-proBNPは身体から受動的に除去され、生物学的活性を有さないという事実と深く関連します。

したがって、BNPの半減期ははるかに短く、NT-proBNPの半減期は長いです。結果として、NT-proBNPは血流中を高濃度で循環します。つまり、比較的高いレベルで循環するため、より高感度で、より早期の心不全を検出する可能性が高いことを意味します。

診断能力と予後予測能力の点では、両者はほぼ同じです。しかし、患者管理や治療の経過観察の点でこれらのマーカーの有用性を見ると、NT-proBNPの方が使用を支持するデータが明らかに多く存在します。

さらに、心不全に対する最新の治療が登場していますが、中でも特にARNiクラスの心不全治療薬はBNPの分解を阻害するという点でBNP濃度に影響を及ぼします。つまり、ARNi投与患者でBNP濃度が大幅に上昇することを意味しますが、NT-proBNP値は影響を受けません。

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