Dr Evangelos Giannitsis
Cardiologist, Medical Director of Chest Pain Unit, University Hospital of Heidelberg, Germany
 

臨床症例:急性心疾患と慢性心疾患との鑑別

 
症例   64歳男性
主な徴候および症状 過去3週間で呼吸困難が徐々に悪化し、直近では最小限の労作で労作性呼吸困難を発症。1週間で体重が3 kg増加
既往歴 3年前に拡張型心筋症と診断
診察 第3心音、両側肺底部のラ音、頸静脈怒張(12 cm H2O)、軽度の足首浮腫
臨床検査
結果
結果   基準範囲
C反応性タンパク (CRP) 4 mg/L  
血清クレアチニン 1.2 mg/dL  
糸球体ろ過量 (GFR) 90 mL/min/1.73 m2   >90 mL/min/1.73 m2
ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント (NT-proBNP) 1375 ng/L   900 ng/Lは、50~75歳の場合、心不全 (HF) の可能性(画像検査による確認)
心電図 (ECG)
心房細動。I、II、aVL、V2~V6誘導にて非特異的な再分極異常。
  画像
 
トロポニン動態プロファイル   画像
 
磁気共鳴画像 (MRI)   画像
 
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Dr Giannitsis Clinical Case - 4

What is the diagnosis of this case?

 
診断
拡張型心筋症を伴う急性非代償性心不全
拡張型心筋症に続発する慢性心不全の臨床的急性増悪でNT-proBNPが上昇。MRI検査では、すべての心内腔の拡張と収縮期LV機能の著しい制限(駆出率(EF) = 24 %)が確認されました。cTnT-hsの動態プロファイルでは、cTnT-hs濃度の上昇が50%未満の非有意な変動が示されました。この変動は、
心筋炎の場合、cTnT-hs濃度について同様のプロファイルが現れる可能性があります。
 
結論
AMIの診断に必要なcTnT-hs値の上昇または低下はありません。
 

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