お話しいただいた内容:
理論的には、トロポニンが検出不能であれば、NSTEMIを発症しているまたはこれから発症する可能性は極めて低くなります。この前提のもとでBody氏は、3種類のカットオフ濃度を用いて0時間および1時間に測定するという構想について、TRAPID-AMI試験で検討しました。1つ目はブランク上限で3 ng/L、2つ目は検出限界である5 ng/L、最後の3つ目は健康な対照集団の99パーセンタイル値である14 ng/Lとしています。
その結果、3つの濃度全てで梗塞の検出率は極めて低く、陰性的中率は99%を上回っていました。また、30日間の追跡調査でMACEはほとんど認められず、極めて高い安全性が示されました。TRAPID-AMI試験の患者集団の3分の1を占める急性冠症候群(ACS)疑いコホートにとって、この構想は貴重なものでした。