Dr Raphael Twerenbold
Cardiologist, University Hospital Basel, Switzerland
 

AMI疑い患者での心臓検査の頻度に対するhs-Tnの影響

KEY TAKEAWAYS

  • 従来のトロポニンから高感度トロポニンへ切り替えた場合でも、冠動脈造影やPCIの実施頻度が増加することはなく、その後の心臓負荷試験の施行率に30%超の減少がみられることが、データから示されています。

動画でお話しいただいた内容:

私たちは欧州の複数の病院で、従来の心筋トロポニンアッセイからより高感度の心筋トロポニンアッセイに切り替えた場合の影響を評価し、その結果を2,500名を超える患者さんを対象とした本データをEuropean Heart Journal誌に発表しました。本データより、高感度のアッセイに切り替えた場合でも、冠動脈造影は増加していないことが示されました。

医師は偽陽性が多くなりすぎることに懸念を覚えるのが普通であり、高感度のアッセイにはその点で不安を感じています。つまり、不要な冠動脈造影を受ける患者さんが多くなりすぎてしまうのではないかと心配しています。しかし、冠動脈造影とPCIの施行率は、切替えの前後で全く変わっていませんでした。さらに注目される点として、驚くべきことに、切り替え以降では、心臓負荷試験の必要性が大幅に減少(30%超減少)していました。明らかなのは、感度が高いと99パーセンタイル付近の細かい測定値が得られることから、非常に低い濃度を示す患者さんの安全性について臨床医が自信を持って判断できるということです。そうした症例ではいずれも、以降の心臓負荷試験を行う必要がありません。さらに、救急科での滞在時間に関して、80分を超える大幅な短縮につながることも確認できました。これによって、外来患者のコストが合計で20%削減されました。

President of APSC Cofound of digital trends in Asia

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