Dr Januzzi: NT-proBNPは、分単位、時間単位で変化します。これまで、NT-proBNPが改善しても臨床エンドポイントが改善されなかった試験は、短期治療に関するものでした。例えば、Levosimendan(カルシウムセンシタイザー)を1週間投与するとNT-proBNPの低下は見られましたが、エンドポイントは1ヵ月後または6ヵ月後でした。問題は、この治療を中止した場合、NT-proBNPの初期変化では、1ヵ月または6ヵ月後のアウトカムを予測できないことです。これが予測因子か否か述べるには、同時点のNT-proBNPが必要です。つまり、NT-proBNPの初期変化は、Levosimendanなどの治療を継続する場合のみ重要となります。アリスキレン(直接的レニン阻害薬)を検討したATMOSPHERE試験のデータでは、NT-proBNPのわずかな低下が示されました。わずかな低下は、わずかなベネフィットと関連していました。駆出率低下を伴う心不全では、NT-proBNPの変化がかなり信頼できる予測因子となります。
