ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)が改善しても臨床エンドポイントが改善されないことについて、どのような見解をお持ちですか?

Dr Januzzi: NT-proBNPは、分単位、時間単位で変化します。これまで、NT-proBNPが改善しても臨床エンドポイントが改善されなかった試験は、短期治療に関するものでした。例えば、Levosimendan(カルシウムセンシタイザー)を1週間投与するとNT-proBNPの低下は見られましたが、エンドポイントは1ヵ月後または6ヵ月後でした。問題は、この治療を中止した場合、NT-proBNPの初期変化では、1ヵ月または6ヵ月後のアウトカムを予測できないことです。これが予測因子か否か述べるには、同時点のNT-proBNPが必要です。つまり、NT-proBNPの初期変化は、Levosimendanなどの治療を継続する場合のみ重要となります。アリスキレン(直接的レニン阻害薬)を検討したATMOSPHERE試験のデータでは、NT-proBNPのわずかな低下が示されました。わずかな低下は、わずかなベネフィットと関連していました。駆出率低下を伴う心不全では、NT-proBNPの変化がかなり信頼できる予測因子となります。

エキスパートから得た最新情報

2型糖尿病患者の心血管疾患・リスク管理に関するインタビュー ーJCS/JDS合同コンセンサスステートメントよりー

このローカルストーリーシリーズは、Koichi Node博士への7部構成のビデオインタビューで構成されています。 Q1: 2型糖尿病患者の心血管疾患に関して、日本の状況とアンメットニーズについて教えてください。 まず、日

16 9月 2021
野出 孝一先生

BNPとNT-proBNPの比較:専門家による見解

生物学的レベルにおけるBNPとNT-proBNPの差は、BNPはホルモンとして生物学的活性を示すのに対し、NT-proBNPは身体から受動的に除去され、生物学的活性を有さないという事実と深く関連します。 したがって、BN

1 10月 2020
Dr James L Januzzi