健康と思われる人では男女ともに、加齢に伴いトロポニンが上昇することがわかっています。年齢別カットオフを用いて高齢患者を「非梗塞」に大きく再分類する試験がTRAPID-AMI試験のサブスタディを含め、いくつかあります。また、男女ともに、年齢別カットオフにはわずかな予後予測的役割があります。
ただし、梗塞のルールインとルールアウトについて年齢別カットオフを最適化すると、リスク層別化におけるトロポニンの重要性を見逃すことになります。私の見解では、年齢別のトロポニンの上昇は、年齢の影響ではなく、心血管疾患負荷の増加を反映する併存症関連の影響です。また、最適化したカットオフを用いると、高齢患者における最適なリスク層別化の機会を逃すことになります。