Dr Winchana Srivilaithon
最初に、0h/1hアルゴリズムが本当に効果的かを評価する必要があります。0h/1hアルゴリズムに関する入手データを慎重に評価したところ、このアルゴリズムの利用により、急性冠症候群(ACS)が疑われる患者をルールアウトできることが明らかになりました。陰性的中率(NPV)は90%以上と非常に高いことが多くの試験で示されています。この迅速アルゴリズムは、低リスク患者の約60%をルールアウトすることも可能であり、救急治療室で長期間待っている患者を帰宅させるか、すぐに入院させるか迅速な診療方針決定に役立ちます。
第1ステップは、プロトコルを定義することです。第2ステップは、プロトコルを作成する段階です。私たちの最初の実践プロトコルは、改良を重ねて作り直したたため、現在のプロトコルとは異なるものでした。プロトコルの改良は、改良してすぐに利用できるような簡単なものではありませんでした。これらを救急医とフェローに紹介し、事例および意思決定のデモンストレーションとともに、利用に関する適切なガイダンスを行う必要があります。私たちはフィードバックを集めて、改善を重ねました。
現在私たちは第3ステップの途中であり、プロトコルの導入段階です。プロトコルを利用し、アウトカムと影響について観察しています。これはルールアウトされた患者が治療を受けたことについて、このアルゴリズムの安全性を確認するためです。次のステップは、コストの検討段階です。
Dr Pisit Hutayanon
0h/1hアルゴリズムの利用を採用するには、多大な協力が必要です。医師は現在利用中のアルゴリズムに代わる選択肢を認識し、アルゴリズムの詳細を調べ、取り入れるか否かを判断する必要があります。 正確で許容可能なカットオフ値の存在も確認します。 また、患者の迅速診断を可能にする新規アルゴリズムは、結果が出るまでに患者を3時間待たせる必要があった診療とは異なることを認識しなければなりません。つまり、0h/1hアルゴリズムの導入により結果が迅速に得られる結果、多くの患者にサービスを提供できるようになるため、患者ケアシステム全体に対する臨床検査担当者を交えた話し合いが必要です。多くの関係者に話し合いに参加してもらい、患者ケアを含む運用の変更を行います。
塩崎 正幸先生
アルゴリズムがちょうど導入された頃、基準範囲よりも若干高値のトロポニン値を検出し、感染症が高値を示すと、循環器内科に診察依頼が入りました。既報で指摘されているように、高感度トロポニンの上昇は、敗血症、頻脈、心房細動、あるいは心筋組織への酸素供給低下に伴う心筋虚血に起因する可能性があります。慎重に診察し各事例に対応することで、医師の理解度は深まり、その結果、救急医の間でトロポニンは一般的な検査項目となっています。現在、大きな問題なく使用されています。